ヨガの八支則をわかりやすく解説!読み方や意味サンスクリット語などまとめ
ヨガを学んでいると必ずと言っていいほどたどり着く教えが「八支則」です。
「八支則」とは何なのか?
ヨガを深めれ深めるほど、実はポーズだけがヨガではないという領域に入っていくのかもしれません!?
このページではヨガの八支則をわかりやすく解説します。
読み方についてやサンスクリット語もカタカナ表記で表したり、初心者にも理解しやすくまとめました。
ヨガの八支則をわかりやすく解説すると?
ヨガの八支則それはズバリ「ヨガが目指す幸福への8つの段階」です。
古代インドの教典「ヨーガ・スートラ」に記された、悟りや精神的な成長を目指すための8つの段階で、このステップを踏むと、心と体の調和を図ることができ、自己の探求を深め、悟りに至ることができると言われています。
ヨガの八支則の読み方は?
ヨガの八支則の読み方は(はっしそく)です。
そして8段階の名称は以下の通り。
- ヤマ(やってはいけないこと):禁戒・道徳律
- ニヤマ(したほうがいいこと):観戒
- アサナ(坐法):ヨガポーズ
- プラナヤーマ:呼吸
- プラティヤハーラ:自己コントロール
- ダーラナ:集中
- ディヤーナ:瞑想
- サマディ(三昧):悟り
カタカナはサンスクリット語で日本語で意味を補足しています
それでは、ヨガを効果的に生かすために必要な、柱となる8つの幸せに近づいていく流れ~ヨガの八支則~をわかりやすくお伝えします。
ヨガの八支則1.ヤマ(やってはいけないこと5つ)
ヨガの八支則1つ目は「ヤマ」と言って「やってはいけないこと」日常生活において守るべき禁戒を示す5つの原則です。
これらは、他者との関係においてどのように行動すべきかということも教えてくれています。
ヤマには大切な5項目があるので、ご説明しますね。
八支則ヤマ1.アヒムサー(非暴力)
アヒムサーは、他者に対して暴力を振るわないことを意味します。
これは身体的な暴力だけでなく、言葉や思考においても他者を傷つけないようにすることも含まれています。
八支則ヤマ2.サティヤ(正直)
サティヤは、真実を語ることを重視します。
嘘をつかず、誠実に生きることが大切という意味です。
これは自己の内面を見つめ、真実を理解することにも繋がります。
八支則ヤマ3.アスティヤ(不盗)
アスティヤは、他人のものを盗まないという意味です。
物理的な盗みだけでなく、他人のアイデアや時間などを奪うことも含まれています。
自分のものを大切にし、そして、他人の権利も尊重することが大切ですね。
八支則ヤマ4.ブラフマチャリア(禁欲)
ブラフマチャリアは、性的な欲望をコントロールすることを意味します。
これは、自己のエネルギーを高め、精神的な成長を促すための重要なことに繋がります。
八支則ヤマ5.アパリグラハ(無所有)
アパリグラハは、物質的な所有に執着しないという意味です。
必要以上のものを持たず、シンプルな生活を心がけることが、心の平穏に繋がっていきます。
これらのヤマの5つの原則は、ヨガの実践において非常に重要なことで、心身の調和を促進するための基盤となるものなので、繰り返し意識して身につけていきましょう。
ヨガの八支則2.ニヤマ(したほうがいいこと5つ)
ヨガの八支則2つ目は「ニヤマ」で「心がけてやること・したほうがいいこと」です。
個人の行動規範を示す重要な教え、つまり、自分に対して守るべき心得、自分自身と良い関係を保つための自己鍛錬法のことであり、アサナの前に知っておかないといけない大切なことです。
ニヤマにも大切な5項目があるので、ご説明しますね。
八支則ニヤマ1.シャウチャ(清潔)
身体や心を清らかに保つことは、日常生活においても重要なことです。
具体的には、定期的な入浴や掃除、健康的な食事を心がけることなどが含まれます。
心の清浄さを保つためには、ネガティブな思考を避け、ポジティブな環境を作ることが大切ですね。
八支則ニヤマ2.サントーシャ(知足)
与えられたものに満足し、感謝するということです。
サントーシャを実践することで、心の平穏を得ることができ、無駄な欲望から解放されていきますね。
日常の小さな幸せに目を向けることがとても大切だという意味です。
八支則ニヤマ3.タパス(苦行)
自己鍛錬や規律を通じて、自分の精神的な強さを育むという意味です。
そして、日々の生活の中で自分に挑戦し、困難を乗り越える力を養うことにも繋がっていきます。
タパスは単なる苦行ではなく、自己成長のための努力が大切だということですね。
八支則ニヤマ4.スワディヤーヤ(自己学習)
聖典の学習を通じて、自己を深く理解することが求められます。
これは単に知識を得るだけではなく、その知識を実生活に活かして実践していくことが大切だという意味でもあります。
自己反省や自分を見つめなおすという内観を通じて、自分の行動や思考についても考えて成長していきましょう。
八支則ニヤマ5.イーシュワラプラニダーナ(神への献身)
自分の行動を神に捧げることで、自己中心的な考えではなく、より大きな存在とのつながりを感じることを意味しています。
これは、日常生活の中で感謝の気持ちを持ち、他者や自然に対する敬意や尊敬の気持ちを持つことにも繋がります。
ニヤマは、ヨガの哲学における基礎的な教えであり、個人の生活における道徳的な指針にもなります。
心身の浄化と安定に繋がり、内面的に成長することができるでしょう。
ヨガの八支則3.アサナ(坐法)
ここで登場しますのがいわゆる「ヨガポーズ」と言われているもの。
「アサナ」とはヨガにおけるポーズや体位を指し、サンスクリット語で「座る」という意味を持つ言葉です。
元々は瞑想のための姿勢を表しており、ダイエットなど身体を動かすことを目的としたポーズではなく、精神を集中させるための準備として行われていました。
ヨガの八支則4.プラナヤーマ(呼吸
プラナヤーマは、単に呼吸法に留まらず、全ての生命活動を支えるエネルギーのコントロールを含む実践です。
呼吸を通じて宇宙のエネルギーを取り入れ、保持し、排出することを意識的に行うことで、心身の調和を図ることができます。
具体的には、吸う息で新鮮なエネルギーを取り込み、止息(クンバカ)でそのエネルギーを保持し、吐く息で古いエネルギーを排出します。
この一連のプロセスにより、身体全体にエネルギーが行き渡り、生命力が高まります。
また、プラナヤーマは、食べ物や飲み物の摂取、知識や経験の活用といった日常生活の中でも重要な役割を果たします。
これにより、心と体の両方をコントロールすることが可能となり、ヨガの実践において非常な位置づけにもなっています。
ヨガの八支則5.プラティヤハーラ(自己コントロール)
感覚への意識を深め、五感をコントロールするために行います。
単に感覚を内側に向けるだけでなく、内なる感覚を目覚させる効果も期待できます。
これにより、外界の刺激に対する反応を減少させ、自分自身の内面に意識を集中させることができるようになるからこそ、可能になっていきます。
プラティヤハーラの実践により、感覚器官をリラックスさせ、外部の刺激に対する反応を抑えることによって、内面的な静けさ、つまり、精神の安定・平穏を目指すものだといえます。
またプラティヤハーラは、ヨガの八支則の中で、外的な実践から内的な実践への移行を促す重要なステップで、集中(ダーラナ)や瞑想(ディヤーナ)に進むための基礎ができあがります。
プラティヤハーラを通じて、心の動きを制御し、より深い瞑想状態に入ることも可能になります。
ヨガの八支則6.ダーラナ(集中)
一点集中して自分の中のものに意識を向けることにより、心の動きを制御し、瞑想の準備を整えることができます。
方法としては、マントラを唱えたり、視覚的な対象(例えばロウソクの炎)を見つめることが効果的です。
これにより、心の動きを制御し、瞑想の準備を整えることが期待できます。
ダーラナの実践は、心を一つの対象に留める訓練であり、心が他の思考に流れないようにするための努力が必要です。
そして、心が集中している時間が長くなるほど、瞑想の質も向上します。
さらに、心の安定をもたらし、ストレスの軽減にもなります。
これにより、日常生活においても、より落ち着いた心を保つことが可能になっていきます。
ヨガの八支則7.ディヤーナ(瞑想)
深い静かな精神でいられる状態(意識さえない状態)で、前述のダーラナの状態がさらに進み、心の集中が外界の妨げなしに持続し、瞑想の深い体験に繋がっていきます。
ディヤーナは、心の静けさを得るための重要な実践であり、自己理解や内面的な成長を促進する手段として位置づけられています。
また、「努力のいらない集中」とも表現され、瞑想の実践を通じて自然に訪れる状態です。
これは、心が一つの対象に集中し、思考が流れているから実現します。
日常生活の中でこの状態を意識的に取り入れることで、心の安定やストレスの軽減を図ることもできますね。
ヨガの八支則8.サマディ(三昧,悟り)
ヨガの最終目標。悟りともいわれ瞑想が深まり、心、身体、魂が一体となり、自己を超越した状態を指します。
この状態では、個人の意識が対象と一体化し、自己の境界が消失します。
サマディは、瞑想の最も深い状態であり、心の雑念が完全に消え去り、無の状態に達することが特徴です。
無の状態。経験してみたいですよね。
ヨガの八支則をわかりやすくまとめ
いかがだったでしょうか?
この8つのステップは、外的部門(1~5)と内的部門(6~8)に分けられ、段階的に実践することで、身体、心、精神の調和と成長を促すために設計されていて、心身の調和と精神的な成長を目指すことができます。
八支則は、現代の日常生活にも適用できる教えであり、ヨガの実践を通じて自己理解と他者との調和を深めることも期待できるので、実践してみる価値が高そうですよね。
八支則を知ると、ヨガをより深く理解することができ、その教えを日々の生活に活かすことにより、単なる運動としてのヨガから、人生を豊かにする哲学としてのヨガへと理解を深めることができるのではないでしょうか?
ぜひ、ヨガを通して、心身ともにあなたの毎日の質をあげて幸せになっていきましょう!